『罪と罰』

ドストエフスキー 高校生の時に挫折したままの本でした。登場人物が多く、内容も暗く湿っているような気分になり、私にとってはなかなか読みにくい本でした。しかしながら、読後にいろいろと考えてみると、理解が深まり心に沁みてくる本だったと思います。

 主人公のラスコーリニコフは貴族出身の学生でしたが、お金はありませんでした。自分や街の人々が貧困で苦しんでいるのに、強欲な金貸しの老婆はわずかなお金しか貸してくれませんでした。そのような金貸しの老婆を「しらみ」と呼び、殺害してもかまわない存在とし て理屈をつけていきます。そしてその思いを深めた彼は、斧での殺害を決行してしまいます。さらに、その場にたまたま入ってきた妹までも殺してしまいます。彼は、その奪ったお金で、世の中を救おうと考えていましたが、結局、多くの現金は殺害後、奪えず残したままにし、奪ったわずかなお金も質草すべてをすぐに、ある場所に隠してしまい中身を確認することさえしていませんでした。

 彼は、ナポレオンの話を持ち出すのですが、ナポレオンは、戦争を繰り返し多くの犠牲者をだしていてもなお、英雄と呼ばれ、人を殺しても正当化されているのだから勇気をもって「しらみ」を殺してもよいということになるという屁理屈を用います。確かに、大量の殺戮をしても、戦争という名の元では、英雄となること、これには、私自身も改めてはっとなりました。

 何が正義で何が悪なのか。戦争も人殺しももちろんあってはいけないことです。ですが今も戦争は続いています。そこで命がけで戦っている人々もいます。見ないふりをせずに、何をすれば世界が平和になるのか、立ち止まって考えたいと思いました。たった一人が思ったところで、世界は変わらないでしょう。しかし、ひとりが思い始めないと、世の中の変化は全く訪れないと思います。時間が経ったら、もう一度その時代の背景を重ねながら読んでみたいと思う本でした。

笑いヨガ教室 京都・北山

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